新しいデザインで広がる魅力~若い女性にも愛される羊羹へ~

髙木羊羹本舗

高木羊羹本舗の跡継ぎとして、19歳でUターンした石川さん。 ユキヒラデザイン長尾さんと協業し、デザインの重要性に気づきました。 新たな客層と販路を開拓し、売上向上を実現した取組をご紹介します。

Profile

昭和初期に創業した羊羹専門店。唐津市浜玉町産の希少な黒いちじくを贅沢に練り込んだ羊羹が看板商品。

髙木羊羹本舗

石川 純平

佐賀県小城市小城町自在265番地3

TEL.0952-73-3360

Interview

これまでのパッケージを若者向けに一新したい。

4~5年前から、若い女性層をターゲットに、新たな購買層の拡大を目指していました。
以前、依頼した他のデザイナーと相性が合わなかった経験もあったため、デザイナーについては色々と調べました。その中で、ユキヒラ・デザインのホームページで見た長尾さんのデザインに惚れ込み、コンタクトを取りました。

デザイナーと話して明確になった方向性

僕は、羊羹の世界に飛び込んだばかりで明確なプランを持っていなかったので、これまでのお客様が離れてしまわないように引き続き価格を抑えた商品を展開した方が良いのか、それとも高級感を打ち出した商品を出した方が良いのか迷っていました。
最初は、デザインの話ではなく様々なことについて、丁寧にヒアリングを受けました。
小城羊羹の歴史や会社の沿革から経営方針や商品戦略の悩みまで、本当に色々話をしました。些細なことでも、親身に相談に乗ってくれる長尾さんの提案やアドバイスのおかげで、頭の中が整理され、商品開発や販売戦略などについて方向性が定まってきました。そうして、1年後には30〜40代の女性をターゲットとした、プチギフトや自分へのご褒美にぴったりな「ちょっと良い羊羹」を訴求する、和洋どちらにも調和するパッケージデザインに刷新することができました。

今回、パッケージをリニューアルした「黒いちじく羊羹」を看板商品にし、のれんや店先に置くのぼり旗などもデザインを統一し、同時に、他の商品のサイズ展開についても見直すことにしました。 特に、他社のひとくちサイズの羊羹より一回り大きい「こまか切り羊羹」には、羊羹らしい美味しさを味わっていただくための弊社のこだわりが反映されています。

協業によって拓いた販路とこれから

パッケージデザインとサイズ展開の見直しをきっかけに、セレクトショップへ販路が拡大できました。羊羹屋としてもデザインに関しても経験が不足していた僕が、長尾さんと協業し学ぶ機会を得て、少しずつ見る目が鍛えられたと思います。自分の中の「こうしたい」と思うイメージを思い描けるようになりました。
今は、羊羹を通じて小城を盛り上げたい気持ちを持っていて、近い将来なんらかの形にしたいと考えています。例えば、店の駐車場を使ってマルシェを開いたり、羊羹製造の見学イベントを企画したり。もっと羊羹の魅力を伝えていきたいと思っています。

デザイン活用を検討している事業者さんへのメッセージ

自営業は確かになんでも自分で決められる自由さはありますが、適切に方向性を見出せず、時間もお金も無駄にかかってしまうリスクもあります。悩んだ時に色々と相談できるデザイナーの存在は心強いですし、協業のおかげで、自分たちの想いをしっかりと反映させた形で商品を作り上げることができたとも思っています。
長尾さんとの協業によって、自分のスキルも上がり、できることの幅が広がったと思うので、今後は新しい取組にもどんどん挑戦したいと思っています。その時は、またデザイナーさんに協力いただくつもりです。

Designer依頼したデザイナー

ユキヒラ・デザイン 長尾 行平さん

アートディレクター、グラフィックデザイナー、イラストレーター

福岡市内のデザイン事務所、広告制作プロダクションを経て 2005年に福岡から佐賀県武雄市に移住し独立。 企業やSHOPのブランディング、商品開発、 キャラクターデザインなどのフィールドで佐賀、九州を中心に活動中。